乳房パジェット病
乳房パジェット病(にゅうぼうぱじぇっとびょう)は、乳頭や乳輪の皮膚に湿疹のような変化が現れる、比較的珍しいタイプの乳がんです。乳頭がかゆくなったり、ただれたりするため、多くの方が最初は「皮膚科で処方される軟膏で治るだろう」と考えてしまいがちですが、実はその皮膚症状の背景に乳管内のがん細胞が隠れていることがあります。私たち聖蹟トータルクリニックでは、聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩2分の通いやすい立地において、乳腺外科としての専門的な診療を提供しております。特に、マンモグラフィや乳腺エコー検査では、目に見えにくい微細な変化を捉える体制を整えています。乳房の異変は、ご本人にとって非常に不安なものですが、当院では木曜日と土曜日の午前中にレディースデイを設け、女性の患者さんがリラックスして検査を受けられる環境を大切にしています。早期に発見し、適切な治療を開始することが、その後の経過を良好にするための重要な鍵となります。乳頭の皮膚トラブルが長引いている場合は、ひとりで悩まずに、まずは私たちのクリニックへご相談ください。
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乳房パジェット病の症状について
乳房パジェット病の最も大きな特徴は、乳頭(ちくび)や乳輪の皮膚が赤くなり、ただれたり、かさぶたができたりすることです。一見すると、一般的な湿疹やアトピー性皮膚炎、あるいは授乳などによるかぶれのように見えるため、専門的な知識がないと判断が難しい疾患でもあります。
具体的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 乳頭や乳輪にかゆみやヒリヒリとした痛みを感じる
- 乳頭の表面がじくじくと湿り、びらん(ただれ)が生じる
- 黄色い浸出液が出たり、それが乾燥して厚いかさぶたになったりする
- 市販の湿疹薬やステロイド軟膏を塗っても一時的にしか良くならない、あるいは全く改善しない
病状が進行してくると、乳頭が平坦になったり、陥没したりすることもあります。また、乳房パジェット病の患者さんの多くは、乳頭の皮膚症状だけでなく、その奥の乳腺内に「しこり」を伴っている場合があります。しかし、しこりが全く触れない段階で、皮膚の異常だけが先行して現れるケースも少なくありません。
この病気は非常にゆっくりと進行するため、「いつから症状があったか思い出せない」という患者さんもいらっしゃいます。ただの皮膚炎であれば、適切なスキンケアや軟膏治療で数週間以内に改善するのが一般的です。もし1ヶ月以上経過しても乳頭のただれが治らない場合は、乳腺外科での精密検査を検討していただきたいと考えています。
乳房パジェット病の原因について
乳房パジェット病が発生するメカニズムには、主に2つの説が提唱されています。最も有力とされているのは、乳管(母乳が通る管)の奥に発生したがん細胞が、乳管を伝わって乳頭の表面へと移動し、皮膚に広がっていくという考え方です。
がん細胞が乳頭の表皮に入り込むと、皮膚の細胞の間を這うように増殖していきます。この特殊ながん細胞は、発見者の名前にちなんで「パジェット細胞」と呼ばれます。このパジェット細胞が皮膚を刺激し、組織を破壊することで、独特の湿疹のような見た目を作り出すのです。
もう一つの説は、乳頭の皮膚自体から直接がん細胞が発生するというものですが、臨床現場では乳管内の早期がん(非浸潤乳管がん)を伴っているケースが圧倒的に多く見られます。
また、乳がん全体に言えることですが、発生には女性ホルモンの影響や生活習慣、そして遺伝的な背景が関与している場合があります。なぜこの病気になったのか、ご家族への影響はあるのかといった、病気そのもの以外の不安についても、専門的な知見からお答えできる体制を整えています。
乳房パジェット病は、いわゆる「リスク因子(病気になる確率を高める要素)」を特定することが難しい場合も多いのですが、定期的な検診や自己検診によって、皮膚のわずかな変化に気づくことが最良の予防策となります。
乳房パジェット病の病気の種類について
乳房パジェット病は、その広がり方や伴っているがんの状態によって、いくつか、いくつかのパターンに分類されます。これを理解することは、治療方針を決定する上で非常に重要です。
1. 非浸潤性のがんを伴うタイプ
パジェット病の多くは、乳管内にとどまっている「非浸潤乳管がん」を伴っています。この段階では、がん細胞が乳管の壁を突き破っていないため、適切な手術を行えば、予後(よご・・病気のその後の経過)は非常に良好であることが期待できます。
2. 浸潤性のがんを伴うタイプ
乳頭の皮膚症状だけでなく、乳腺の奥に「浸潤がん(周囲の組織に広がっているがん)」のしこりが形成されているタイプです。この場合は、パジェット病としての治療に加え、一般的な乳がんと同様の全身的な治療(薬物療法など)が必要になることがあります。
3. 皮膚のみに症状があるタイプ
まれに、画像検査を行っても乳腺内に明らかながんが見つからず、乳頭の皮膚表面にのみパジェット細胞が存在するケースがあります。
このように、一口にパジェット病と言っても、その内情は患者さんお一人おひとりで異なります。聖蹟トータルクリニックでは、マンモグラフィや高解像度のエコーを駆使し、乳腺内の状況を詳しく確認します。がんの広がりを正確に評価することが、不要な切除を避け、かつ再発を防ぐための第一歩となります。
乳房パジェット病の治療法について
乳房パジェット病の根本的な治療法は、手術による切除です。がん細胞が乳頭の皮膚に含まれているため、基本的には乳頭と乳輪を含めた切除が必要となります。
具体的な手術方法には、主に以下の2種類があります。
- 乳房全切除術・・乳頭、乳輪、および乳腺組織をすべて切除する方法です。広範囲にがんが広がっている場合に選択されます。
- 乳房温存手術・・乳頭と乳輪、およびその周囲のがんを含む乳腺組織を部分的に切除する方法です。切除後は残った乳房に放射線治療を行うのが一般的です。
以前は乳房全摘が標準的でしたが、現在ではがんの広がりを精密に評価した上で、温存が可能であれば温存手術も選択肢に入ります。当院では手術が必要と判断された場合、速やかに提携する高度医療機関をご紹介し、スムーズに治療を受けられるよう手配いたします。
また、手術の際には「センチネルリンパ節生検」が行われることがあります。これは、脇のリンパ節にがんが転移していないかを調べる検査です。もし転移がなければ、脇のリンパ節を大きく取り除く必要がなくなり、術後の腕のむくみなどの合併症を避けることができます。
浸潤がんを伴っている場合には、術後に抗がん剤やホルモン療法などの薬物療法を組み合わせることもあります。治療のゴールは、がんを完全に取り除き、「寛解(かんかい・・病状が治まって穏やかになること)」の状態を維持することです。
乳房パジェット病についてのよくある質問
Q1. 乳頭の湿疹が治れば、パジェット病ではないと考えて良いですか?
A1. 一時的に皮膚の状態が改善しても、パジェット細胞が消失したとは限りません。ステロイド軟膏などで表面的な炎症が治まることがありますが、根本的ながん細胞は残っているため、再び悪化することが多いです。自己判断で「治った」と決めつけず、一度は乳腺外科の診断を受けてください。
Q2. 痛みやかゆみがなくてもパジェット病の可能性はありますか?
A2. はい、あります。痛みやかゆみが全くなく、ただ皮膚が少し剥がれたり、カサカサしたりするだけの初期段階も存在します。「痛くないから大丈夫」という考えは禁物です。
Q3. 男性でも乳房パジェット病になりますか?
A3. 非常にまれですが、男性にも発症することがあります。男性の場合は乳腺組織が少ないため、しこりとして自覚しやすいこともありますが、乳頭の皮膚症状には注意が必要です。
Q4. 検査は痛いですか?
A4. マンモグラフィは板で乳房を挟むため、多少の圧迫感や痛みを感じることがあります。当院ではできるだけ痛みに配慮した検査を心がけております。エコー検査は痛みはありません。
院長より
乳房パジェット病は、乳がんの中でも比較的早期に、しかもご自身の目に見える場所(乳頭)にサインが出る病気です。しかし、そのサインが「湿疹」とよく似ているために、発見が遅れてしまうことが本当にもったいないと感じています。聖蹟桜ヶ丘駅の近くで診療を行っていると、「こんな些細な皮膚のことで乳腺外科に行って良いのか迷った」という声をよく耳にします。私たちは、そんな患者さんにこそ、気兼ねなく足を運んでいただきたいと願っています。
当院では、単に目の前の病変を診るだけでなく、患者さんの背景にある悩みや不安に寄り添う診療を大切にしています。診察は院長である私(男性医師)が行いますが、木曜日と土曜日の午前中にはレディースデイを設け、女性スタッフとともに、安心して検査を受けられる雰囲気作りを行っています。
私たちのクリニックの強みは、マンモグラフィやエコーといった高度な検査機器を揃え、小さな変化も見逃さない姿勢を持っていることです。もし、あなたの乳頭の皮膚症状がなかなか治らず、不安な日々を過ごされているのなら、どうぞ勇気を出して受診してください。早期に見つけることができれば、治療の選択肢は広がり、これまでの生活を大切に守っていくことができます。多摩市にお住まいの方や京王線沿線にお住まいの方が、「ここに来て良かった」と安心していただけるよう、全力を尽くしてまいります。
