炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
炎症性腸疾患(IBD)は、主に10代から30代の若い世代に多く発症する、腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気です。この疾患には「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」の2つの代表的な病気が含まれます。どちらも原因がはっきりと解明されていないため、国から「指定難病」とされており、症状が良くなったり(寛解:かんかい)、また悪化したり(再燃:さいねん)を繰り返すことが特徴です。お腹の痛みや下痢、血便といった症状は、日常生活や仕事、学業に大きな影響を及ぼし、一人で悩みを抱えてしまう患者さんも少なくありません。聖蹟トータルクリニックでは、聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩2分の通いやすい立地で、患者さんの不安に寄り添った専門的な診療を行っています。私たちは、鎮痛剤を使用した痛くない、眠ったまま受けられる苦痛の少ない内視鏡検査を導入しており、AI技術を活用した精度の高い観察を行うことで、炎症の状態を正確に把握し、一人ひとりに合わせた最適な治療を提案します。土曜や隔週の日曜診療も実施しているため、お忙しい方でも無理なく継続的なケアを受けていただけます。お腹の不調が続く方は、まずは私たちにご相談ください。
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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の症状について
炎症性腸疾患の症状は、腸の炎症によって消化吸収や水分の調節がうまくいかなくなることで現れます。潰瘍性大腸炎とクローン病では、症状が出る場所や程度に違いがありますが、共通する代表的な症状を詳しく解説します。
代表的な消化器症状
最も多く見られるのが下痢や粘血便などの排便異常です。
- 下痢・・炎症によって大腸が水分を十分に吸収できなくなり、水のような便や柔らかい便が頻繁に出るようになります。
- 血便・・腸の粘膜から出血し、便に血が混じります。潰瘍性大腸炎では特に顕著で、血液に粘液が混ざった「粘血便」が見られることもあります。
- 腹痛・・お腹の張りや、差し込むような痛みが起こります。クローン病では右下腹部の痛みが特徴的です。
- しぶり腹・・便意があるのに便が出ない、または出した後もすっきりしない感覚が続くことがあります。
全身症状と消化管以外の症状
炎症が強くなると、お腹以外の部分にもさまざまな影響が出てきます。これを腸管外合併症と呼びます。
- 発熱や倦怠感・・体の中で激しい炎症が起きているため、微熱や体がだるいといった症状が出やすくなります。
- 体重減少・・栄養の吸収が不十分になったり、食欲が落ちたりすることで体重が減ってしまいます。
- 貧血・・慢性的な出血が続くことで、立ちくらみや息切れを感じる貧血状態になることがあります。
- 関節痛や皮膚の症状・・膝や手首などの関節が痛んだり、結節性紅斑(けっせつせいこうはん)と呼ばれる皮膚の赤い腫れ、口内炎などが現れることもあります。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の原因について
炎症性腸疾患の原因は、現在の医学でも完全には特定されていません。しかし、単一の理由ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。これを多因子疾患と呼び、大きく分けて3つの要素が関わっているとされています。
自己免疫の異常
本来、私たちの体には細菌やウイルスなどの外敵から身を守るための「免疫」という仕組みが備わっています。炎症性腸疾患では、この免疫システムが何らかの理由で暴走し、自分自身の腸の粘膜を攻撃してしまうことが主な原因と考えられています。
環境因子と食生活の変化
近年、日本国内で炎症性腸疾患の患者さんが急増している背景には、食生活の欧米化が関係していると推測されています。高脂肪・高タンパクな食事の摂取が増えたことや、食品添加物、衛生環境の変化などが、腸内細菌のバランスに影響を与え、発症の引き金(リスク因子:りすくいんし)になっている可能性が指摘されています。
遺伝的な素因
特定の遺伝子が病気を引き起こすわけではありませんが、生まれ持った体質として炎症が起きやすい遺伝的な背景があることが分かってきています。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の病気の種類について
炎症性腸疾患は、主に「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」の2つに分類されます。これらは炎症の起こる範囲や深さが異なります。
潰瘍性大腸炎の分類
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に限定して炎症や潰瘍(かいよう:粘膜がえぐれた状態)ができる病気です。炎症が広がる範囲によって、以下の3つに分けられます。
- 全大腸炎型・・直腸から大腸の最も奥にある盲腸まで、大腸全体に炎症が広がっているタイプです。
- 左側大腸炎型・・直腸から大腸の左半分(脾湾曲部より下流)までに炎症がとどまっているタイプです。
- 直腸肛門女型・・炎症が直腸のみに限定されているタイプで、比較的軽症なことが多いですが、油断は禁物です。
クローン病の特徴
クローン病は、口から肛門まで、消化管のあらゆる場所に炎症が起こる可能性がある病気です。特に小腸の終わり(回腸)と大腸に炎症が起きやすく、粘膜の深い層まで傷つくことが特徴です。炎症の場所によって「小腸型」「小腸大腸型」「大腸型」に分類されます。また、肛門周囲に「痔瘻(じろう)」などのトラブルを合併しやすいこともクローン病の大きな特徴です。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の治療法について
治療の最終的な目的は、症状を抑えるだけでなく、腸の粘膜をきれいな状態にしてそれを維持すること(寛解の維持)です。当院では、内視鏡検査の結果に基づき、患者さんのライフスタイルに合わせた治療計画を立てていきます。
薬物療法
炎症を鎮めるための薬には、いくつかのステップがあります。
- 5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤・・治療の基本となる薬で、腸の炎症を直接抑えます。飲み薬のほか、直腸付近の炎症には坐薬や注腸液(お尻から入れる薬)を併用します。
- 副腎皮質ステロイド・・炎症が強く、5-ASA製剤だけでは改善しない場合に使用します。短期間で強力に炎症を抑えるために有効ですが、副作用に注意しながら慎重に量を調節します。
- 免疫調節薬・・ステロイドを減らすのが難しい場合や、再発を繰り返す場合に、免疫の過剰な働きを抑えるために使用します。
- 生物学的製剤・・特定の炎症物質をピンポイントでブロックする注射や点滴の薬です。これまでの治療で効果が不十分だった方でも、高い効果が期待できます。
内視鏡による定期的なモニタリング
症状が落ち着いていても、腸の中では炎症がくすぶっていることがあります。聖蹟トータルクリニックでは、AI機能を搭載した内視鏡システムを使用し、粘膜の状態を細かく確認します。鎮静剤を使用することで、眠っている間に検査が終わるように配慮しているため、定期的な検査も苦痛なく受けていただけます。
栄養療法と生活習慣の指導
特にクローン病では、食事の管理が重要になります。腸への負担を減らすために、脂肪分を控えた低残渣(ていざんさ:カスが残りにくい)食の指導や、必要に応じて栄養剤(エレンタールなど)の活用をご案内します。
よくある質問
炎症性腸疾患についてのよくある質問
Q1.一度良くなれば、通院や薬をやめても良いですか?
A1.いいえ、自己判断での中断は非常に危険です。症状がない状態(寛解)であっても、腸の粘膜に炎症が残っていると再燃(悪化)しやすく、長期的に見ると狭窄(きょうさく:道が狭くなる)や大腸がんのリスクが高まります。継続的な治療が健康な生活を守る鍵となります。
Q2.仕事や学校を続けながら治療できますか?
A2.はい、可能です。多くの患者さんは適切な治療を続けることで、健常な方と変わらない日常生活を送られています。当院では土曜日や隔週の日曜日にも診療を行っているため、学業や仕事に支障が出にくいスケジュールで通院していただけるようサポートします。
Q3.指定難病の申請はどのようにすれば良いですか?
A3.重症度や治療内容によって助成の対象となる場合があります。診断の結果、対象となる方には申請に必要な診断書(臨床調査個人票)を作成いたしますので、まずは受診時にご相談ください。
院長より
聖蹟トータルクリニックのページをご覧いただきありがとうございます。お腹の痛みや頻繁な下痢、血便といった症状は、周囲に相談しにくく、孤独感を感じてしまうことも多いかと思います。「ずっとトイレのことを気にして生活しなければならないのか」という不安を抱えて聖蹟桜ヶ丘の当院へ来られる患者さんも少なくありません。
私たちは、そのような患者さんの不安を少しでも和らげ、前向きに病気と付き合っていけるよう全力でサポートします。炎症性腸疾患の治療において最も大切なのは、早期に正しい診断を下し、適切な治療によって「炎症をしっかり抑え込むこと」です。当院では、内視鏡検査に対する恐怖心を取り除くため、鎮痛剤を使用した痛くない内視鏡検査に徹底してこだわっています。また、AIによる診断支援を活用することで、小さな病変も見逃さない精度の高い診療を追求しています。
潰瘍性大腸炎やクローン病は長いお付き合いになる病気ですが、医療の進歩により、今では多くの新しい治療選択肢があります。私たちは、あなたが「病気を忘れて過ごせる時間」を一日でも長く増やせるよう、共に歩んでいきたいと考えています。どんな些細な悩みでも構いません、トータルビル1Fの私たちのクリニックへ、安心してお越しください。
